プレイバック真田丸(1)

いわずとしれた今年の大河ドラマ、「真田丸」のまとめお話し。その1です。

 

今年は1年、毎週日曜は鉄血とともに楽しみにさせていただいた。
三谷作品にあまり思い入れはないが、昔の大河ドラマへの回帰がありそう、ということでそれは好みの作品になる期待があった。

フタを開けてみると、今作は人間ドラマ重視でチョイ役のキャラも、細かな設定があるような丁寧な描写と、細かなネタをちりばめた万人向けのエンターテイメント作品になっていたと思う。

今回は真田幸村の物語ということで、特に負ける側の人たちの描写に力が入っていた印象。武田勝頼北条氏康、そして豊臣家。豊臣秀次がこんなに魅力的に書かれた作品もなかったのでは。豊臣秀頼に関しても最期までやってほしかったね。

また、現代において忌避されているであろう、側室を持つこと、国中が戦時状態であることについて、過度にぼかしたり、登場人物がいわゆる「お花畑大河」な平和主義を唱えることのない脚本が個人的には好感が持てた。

(中には信繁の姉、松のように「戦の時は後ろの方に居なさい」と言ったりすることもあるが、一種の清涼剤とかねて、こういう人もいただろう、と思わせる演出になっている。また、主人公信繁の側室のあり方はうまいこと誤魔化しているような感じもあるが、まあ、許容範囲かな)

 

○主人公とベスト武将・ワースト武将について

<主人公:真田信繁

個人的には中途半端な感じだったか。策がうまくいくのは見ていて気持ちがいいが、達観しているというか、あまり焦っているとこが見えないのは俳優のせいか、主人公のせいか。
主人公が未来人か、ってくらい先の見通しが立ってる、ってのはありがちで嫌いなパターンなんだけど、そこまではいってない。しかし、大阪の陣において献策を拒否されたりするとこでは、もっと怒りを表現してもよかった気がした。あと中盤までは昌幸に食われた感。
 
<ベストアクター:真田昌幸
ハマり役でファンが一気に増えたのではないか。非常な策略家とお茶目な言動がうまくはまっていて、2度の上田合戦までおいしいところを全て持って行ってしまったね。この人が出るだけでまた総集編見たくなるよな。山国である信濃上田っぽい毛皮の衣装もかっこよかった。
 
<ワーストアクター:真田信之
演技がワーストという意味でなく、脚本上の扱いがワーストだったと思われるお兄ちゃん。戦闘でも内政でも、活躍するシーンはほとんどなし。「相模の獅子」っぷりを見たかったね。
 
○個人的に好きな回ベスト3!
・最終回
・第35回「犬伏」
・第45回「完封」
 
後半に続きます!